多核分散型都市
首都圏整備審議会から指定された、水戸日立、宇都宮、前橋、高崎の三地域で、これまで南関東に片寄っていた都市開発とバランスをとるため、北関東のこれら三地域を開発し、人口100万の広域都市圏を形づくろうという構想が北関東大規模都市。指定地域では工業用地の特別収用ができるようになり、起債枠も拡張され、国からの利子補給、市町村事業への補助率も増額されます。
多核分散型都市とは過密に悩む大都市対策のため、建設省が進めた大都市対策の課題と方針の基本構想の中で示した新しい考えの都市。これによると、従来ある都市の都心が一点に集中的に存在する求心型の都市形成から、約30キロ間隔で二次的中心地、都心群を多核的に配置します。これらの核から出る放射状の交通路をつなぐ交通施設のネットワークをつくり、核間の近接性を高める、など多核分散型の都市形成を、今後の方向として示しています。従来の都市対策では、都心は一つで中心から動かせないものとし、家や工場、学校など、いわぱ都市の機能の分散ばかり考えていました。これに対してこの構想は都市の本質的機能の拠点である都心を計画的にいくつかに分散し、交通発生源を散開し、周辺からの圧力を緩和平均化しようとする画期的なものでした。この都心群を結びつける交通ネットワーク計画と実践が成功のカギを握っていました。

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